「流れ」

Categories: 野球日本代表(WBC・五輪)

WBC、韓国に負けてしまいましたね。。。
イチローの「30年」発言があっただけに、なおさら屈辱的な敗北となってしまった。
野球をテレビで見ていてこれほど悔しい思いをしたのも久しぶりかも。
アテネのオーストラリア戦以来かな(去年の巨人に関してはハナから優勝を諦めてたんで)。
試合を振り返ってみると、野球独特のいわゆる「流れ」が変わるポイントがいくつかあったように思う。
日本も韓国も試合の重要なポイントごとに、この「流れ」を引き寄せようとする意図が見えたが、今回は韓国のほうが1枚上手だった。
序盤は日本の「勝って当たり前」ムードもあって優位な雰囲気。
この、「勝って当たり前」ムードが出ていたのにもいくつか理由があって、
・日本は前の2試合ともコールド勝ち
・韓国は台湾に苦戦して2-0でようやく勝ったが、日本は台湾にコールド勝ちした
・イチローの「30年」発言
これらの要因が、日本側の余裕を生んでいたのかも。
しかし、結果これが選手の集中力を弱める原因となって、中盤以降あと1点がなかなか取れない。
事実、5回以降日本は無安打だった。
4回裏の、西岡のライト線への当たりをスーパーキャッチされたあたりからイヤなムードが漂い始めてたが、この時点ではまだ流れはどちらに優位とも言えない雰囲気。
5回表の韓国の攻撃で、日本先発渡辺が死球2つを与えてピンチを招き降板。
ここで点が入れば流れは一気に韓国に行くところを、日本は代わった藤田が好投し何とか切り抜ける。
まだ互角の展開。
続く5回裏、日本は3番から始まる好打順でアウトが全てフライの最悪のパターン。
この辺りからイヤなムードが現実味を増してくるも、6回表、藤田からスイッチした杉内が好投。
再び互角の展開へ。
6回裏、投手が作った良いリズムに乗っていきたいところだが、連続三振とファールフライで三者凡退。
日本は1点リードしているのに、心理的に追い詰められてくる。
逆に韓国は「これはまだいけるぞ」というムードだったに違いない。
しかし7回表、杉内は三者凡退に斬ってとる。
日本、再び流れを引き寄せることができるか。
続く7回裏、ここで転機が訪れる。
先頭のイチローに死球。
客席からは大ブーイング。
イチローも珍しくあからさまに不機嫌な表情で一塁までゆっくりと歩く。
このイチローの行動、ただ単純に熱くなっただけかもしれないが、もしかすると流れを日本に引き戻すための時間稼ぎだったのかもしれない。
この間、韓国の投手ペ・ヨンスは間違いなく動揺していた。
この死球を報復と見なしている報道がいくつかあったけど、無死でイチローを出塁させるデメリットを考えればそれは無いでしょう。
さぁ一気に追加点と行きたいところだったが、韓国側はここでスッパリと投手交代。
このタイミングが非常に良かった。
続く西岡は送りバントに失敗した挙句見逃し三振。
さらに代打和田、松中もあえなく凡退。
流れは韓国へ。
そしてついに8回表、イ・スンヨプに逆転弾を浴びる。
こうして見てみると、中盤から8回の逆転劇まで流れがどちらに転がってもおかしくない雰囲気だったが、最初に優位だった日本は追い上げられるプレッシャーに結局負けてしまった。
マラソンで1位の選手が2位の選手にずーっとすぐ後ろに引っ付いてこられて、終盤にプレッシャーに負けて逆転されるのと似てますね。
これがもし、最初から日本が「挑戦者」として試合に臨んでいたら、展開はまた違ったかもしれない。
しかし、この時点で負けたのは良かったかも。
2次リーグでは恐らくアメリカと、そして今回負けた韓国ともう一度当たるわけで、文字通り挑戦者として臨むことができる。
なにより、アメリカに今回の日本のようなことが起きないとも限らないわけだから。

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